日本のバスケットボールを夢のあるスポーツに 山野勝行の想い
アースフレンズは、社会人を対象にしたスクールチームなど、今までの日本のバスケットボールになかった新しいアプローチから、アジア・世界で戦える競技力の強化、文化的にも世界と肩を並べられるようなバスケットボールの普及を目指して、「バスケットボールで世界を変える」を掲げ活動しているチームだ。
チームの発起人は、アースフレンズの現代表である山野勝行。
彼は高校時代ハンドボール部に所属し、バスケットボール経験は皆無。そんな彼が、なぜアースフレンズというバスケットボールチームを作ろうと考えたのか。
きっかけは2004年、たまたま知り合いの経営者に紹介してもらった1冊の本と出会い、それにより彼自身が人生のどん底から抜け出したことから始まる。
その本とは、平山譲著「ファイブ」である。
“ミスターバスケットボール”こと、佐古賢一選手ら、親会社の経営不振でリストラされたベテランバスケットボール選手たちが、地方の小さな町のチームに拾われ、若きスター選手が所属する王者に挑む実話を基にした物語だ。
彼はこの本を読んで感銘を受けた。特に彼の心に一番響いたのは、
「Iではなく、Weでやるものだから。」
という言葉。これまでどちらかというと独力で成功を収めてきたタイプの彼にとって、ハッとさせられる一言だった。
それ以降、佐古選手に会いに、バスケの会場へ足を運ぶようになった。
はじめは佐古選手のプレイばかりに目がいっていた彼だったが、次第に他の選手や、それを応援するファンについて考え、バスケットボール界全体のことに想いを巡らすようになっていく。
「死に物狂いで一生懸命試合に臨む選手に対して、もっとできることがあるのではないか?」
「観戦しにわざわざ会場に足を運んでくれるファンのためにもっとできることがあるのではないか?」
彼は、自分の心の中に熱い何かが生まれてくるのを感じた。
彼自身が考える理想・理念・信念を形にして、バスケットボール界に貢献したい。
野球、Jリーグに続く、新しいビジネスモデルを提供したい。
何より、多くのファンに囲まれて一緒にチームを世界最高の舞台に立たせたい。
その想いから、ついに、彼自身がバスケットボールチームを設立することになったのである。
時は2009年11月、有志6名により、アースフレンズ初めての練習会をスタートさせたのであった。
そこから3年、わいわい練習会、アスフレカフェ、バリバリチーム、スクールチームと活動を増やし、エリアも東京、福岡、岡山、浜松と展開させ今に至る。
次回からはアースフレンズのユニークな活動を紹介していきたいと思う。
»2.未経験者・初心者や女性にバスケの楽しさを知ってもらう、わいわい練習会
»コラムトップへ